うつ病の再発予防

目次
(1) うつ病が繰り返しやすい理由
(2) 再発予防にカウンセリングは不可欠
(3) 再発のサインに気づく
  ① うつ病のサイン―自分で気づくサイン、家族が気づくサイン、職場で気づくサイン
  ⓶ うつ病の症状―こころの症状、からだの症状、

(1) うつ病が繰り返しやすい理由

うつ病は、お薬だけではなかなか治りにくい病気です。

うつ病を引き起こす要因が改善されないままですと、どうしても再発が多くなってしまいます。

要因とは、簡単に言うと、考え方、生き方、価値観などの癖です。

これが変わらないと、再発の危険はなくならないのです。

しかし、これらは変えようと思っても、簡単に変わるものではありません。

うつ病になりやすい傾向(癖)について

うつ病には、うつ病になりやすい傾向があります。

とても真面目で、正義感や責任感が強く、自分に厳しく、自分のことより相手のことを考えるような、日本人として模範的な性格の方がうつ病になりやすいと言われています。
ですから、日本人であればだれがなってもおかしくないのですね。

うつ病は、「今の生き方は無理をしていますよ。このまま無理していると危険ですよ。無理をしない生き方にしましょう」ということを伝える、からだからのメッセージです。

繰り返さないためには、もっと自分に優しくなったり、もっと自分を大切にできるようになる必要があります。

お薬は、症状を軽くしてはくれますが、自分に優しくなったり、自分を大切にするようには、してくれません。

もう一つ再発の要因として、家族関係があります。

家族関係に課題

うつ病になる方は、家族関係に問題を抱えていることが少なくありません。
(家族関係とは、今の家族だったり、実家の家族だったりします)。

その結果、辛さを理解してもらえなかったり、大切にしてもらえないために、なかなか改善しないということがあります。

たとえうつ病が改善しても、家族関係で傷つくことがあると、再発してしまうのです。

家族関係も、お薬はなおしてくれません。

だから、薬だけではうつ病の完治は難しいのです。

(2) 再発予防にカウンセリングは不可欠

再発しないためには、カウンセリングが必要です。

カウンセリングは、考え方や生き方を見直したり、家族関係を見直して、改善するお手伝いをすることができます。

つまり、再発しないための手立てです。

最近、精神科でもカウンセリングをしているところが多くなっているのはそのためです。

カウンセリングで、自分に優しくできるようになったり、家族関係が改善すると、再発はしなくなります。

カウンセリングについてお問い合わせの方はこちらです。

(3) 再発のサインに気づく

再発を予防するためには、「うつ病のサインに早めに気づく」ことは大事です。

以下のようなサインに気づいたとき、はやめに対応できると、再発や悪化を防ぐ可能性があります。

① うつ病のサイン

1. 自分で気づくうつ病のサイン 

気分が重い
憂うつ
悲しい
寂しい
焦り
過去の嫌なことを思い出して辛くなる
食欲がない
趣味に興味がなくなる
元気が出ない
イライラする
朝起きれない
アルコールの量が増える
人と会いたくない
頭が回転しない
ボーっとしている
考えがまとまらない
自分なんかいない方がいいのではないかと思う
消えてしまいたいと思う

2. 家族が気づくうつ病のサイン

表情が暗い
落ち着かない
一日寝ていて動かない
涙もろい
反応が遅い
口数が少ない
話し方がゆっくりになる
服装にかまわない
物忘れがひどくなる
過去のことを思い出し、相手を責める
怒りっぽい
反抗的になる
「消えてしまいたい」「死にたい」と言う

3. 職場でのうつ病のサイン

ミスが増える
集中力がない
イライラしている
仕事がいつもより遅い
判断力がない
遅刻や早退が増える

② うつ病の症状

以下は、うつ病のサインを「症状」として分類したものです。

うつ病の症状には、「こころの症状」と「からだの症状」があります。

1. こころの症状

抑うつな気分
  ゆううつ
  落ち込む
  悲しい
  希望を感じられない

不安・焦り
  不安でたまらない
  じっとしていられない
  焦りを感じる
  イライラする
  気持ちばかり先へ行って仕事が進まない
  いつもはできることができない
  考えが空回りする、まわりに当たってしまう

消えてしまいたい・いなくてもいい・死にたい
  こんなに辛いのなら生きていてもしょうがないと思う
  生きていていいかどうかわからない
  孤独
  絶望 
  一人ぼっちだと思う
  生きている価値がないと思う
  誰も助けてくれる人なんていないと思う
  誰にも必要とされていないと感じる
  何をしても変わらない、万策尽きたと思う

自分を責める
  なんでも自分が悪いと思う
  うまくいかないのは自分のせいと思う
  自分はダメな人間と思う
  こんな自分で申し訳ないと思う
  私なんかいない方がいいと思う

意欲がなくなる
  好きだった趣味に興味がなくなる
  何をしても興味も関心ももてない
  何をしても楽しくない
  お化粧する気も起きない
  お風呂に入るのがめんどくさい
  外出できない
  布団から出られない
  など

記憶力・集中力・判断力が落ちる
  新聞も本も頭に入ってこないから読めない
  テレビをみることができない
  判断できない
  買い物に行って何を買ったらいいか分からない
  質問されても返事に時間がかかる
  など

2. からだの症状

こころの症状よりも、からだの症状が強く出る人もいます。

からだが鉛のように重い
からだがだるい
からだが痛い(頭痛、肩の痛み、腰痛、関節痛、胸痛などいろいろな痛み)
肩こり
頭が重い
疲労感
疲れが取れない
睡眠障害(寝られない、途中で目が覚める、寝すぎる)
食欲不振、または、食欲増進
味がしない
息苦しい
胸が苦しい
動悸
口が乾く
吐き気
不眠、または、過眠
体重の大幅な増減
めまい
目が疲れる
汗をかく
など

これらの症状を二度と繰り返したくない方は、是非カウンセリングをご活用ください。
取手心理相談室
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電話: 080-5687-8508
メール: toride.shinrioffice@gmail.com