(19) 個人によって異なるストレス ⑭評価が気になる

誰でも他人の評価が気になる

私たちは生まれた時から、競争の世界にいます。
テストの点数、学歴、職業、収入、出世。

周りより優れていなければ安心できません。

そして
●周りと比べて、「なんて自分はダメなんだろう」
●相手は自分をどう思ってるんだろう
●こんなことをしたら嫌われるんじゃないか
と、不安になります。

なぜって、大なり小なり人は誰でも、
●すごい人と思われたい
●能力の高い人と思われたい
●良い人だと思われたい
からです。

だから、評価は気になって当たり前なのです。

それは、「認められたい」という欲求を、人間が持っているからです。

「認められたい」欲求

誰でも「人に認められたい」に決まってます。
だって社会では、認められた方が生きやすいのです。

問題は、
「認められたい」ために、評価が「過剰に」気になる場合です。

たとえば、次のような状態です。

●「他人の評価がすべて」と思い込んでいる
●「他人の評価」が「自己像」になってしまっている
●自分がやりたいことよりも、良い評価を得られる行動を選んでしまう

これは、自分を殺している状態ですので、

だんだん自分というものが分からなくなってしまいます。
当然、生きるのが苦しくなっていきます。

では、
生きづらくなるほどに、評価が気になってしまうのはなぜでしょう。

過剰に評価が気になるのはなぜ?

自分で自分を認められないとき、
周囲から認めてもらわなければいけません。

他人が自分をどう思っているかが、重要になります。
こうして、他人の評価が気になってくるのです。

「自分がしたいから、する」のではなく、
「してもいいよ」と言ってもらえないと不安なわけです。

いつからそのようになったのでしょう?

子どものことを考えてみましょう。
子どもは親に受け入れてもらうために一生懸命です。

もし、
●あるがままの自分を認めてもらえないまま、
●結果だけに注目されて、
●評価されて育った場合、
●良い点数を取ったり、良い子でいないと、
●「受け入れてもらえない」と思い込むようになります。

これは、無意識の中に深く刻み込まれて、「生き方」として定着します。
すると、大人になっても評価が気になってしまうのです。

「自分らしく生きる」という「生き方」は、分からないままです。

このような状態の人の特徴を考えてみます。

評価を「過剰に」気にすると・・・

●評価が低いと、人格を全否定された気持ちになってしまう
●評価が気になって、言いたいことが言えなくなる
●自分の考えに同意されないと不安になる

こうして、
「嫌われないこと」「期待に応えること」にエネルギーを使って、
他人の期待通りの役を演じるようになると、
誰の人生か分からなくなってしまいます。

「自分の人生」を生きていないと、人生はつまらないものです。

では、
どうしたら、「自分の人生」を生きられるようになるでしょう?

自分の人生を生きるために

他人の評価と、自分の評価の区別をつけましょう。

といっても、
他人の評価が自分の評価になってしまっていると、難しいですね?

その場合は、
まず、自分の感じる「快」と「不快」に注目しましょう。

少しでも「快」を感じたことを「して」みる。
少しでも「不快」を感じたことは「しない」でみる。

「自分は何が好きで、何が嫌い」なのかを、体の感覚でつかんでみましょう。

そこが「自分の人生」を取り戻すスタートになると思います。

取手心理相談室  
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