(13)思い通り動かない相手にイライラ①メールの返信が遅い

手紙の時代

20年数年前、まだケータイが普及していなかったころ、多くは手紙でした。

手紙は、投函してから相手に届くのに時間がかかります。

書くのにも時間がかかりますから、

返事をもらえるのは、どんなに早くても、1週間はかかったのです。

切手を貼ってポストに手紙を入れたら、ひたすら「待つ」しかありません。

首を長くして待っていた手紙が届いたときは、とてもうれしかったのです。

いつまで待っても返事が届かなかったときは、がっかりしながら、それでも待つしかありません。

そのうち、だんだん手紙を出したことも忘れていきます。

今はどうでしょう。

メールの時代

ほとんどの人はメールやLINEなどを使用しています。

書くのも、届くのも一瞬です。

そのやりとりは、「会話のように」ポンポンと行ったり来たりすることもあります。

それに慣れてしまったとき、返信が「すぐ」来ないと不安になるのです。

だって、「会話」感覚ですから応答がないと焦るわけです。

「どうしたの?」
「何かあった?」
「既読になったのに、なんで返事が来ないの?」
「すぐ返事が来ないなんて、ありえない!」

そう思う前に、ちょっと考えてみましょう。

メールは手紙

メールもLINEも、「会話的」なやりとりはできますが、現実の相手は目の前にいません。

基本的な機能としては手紙なのです。

だから既読になったのが分かっても、相手がどんな状況で読んだかまではわかりませんね。

電話と違って「手紙」は、相手の生活の邪魔をしません。

電話は、相手が今何をしていようが、お構いなしに、こちらの都合だけで電話することができます。

つまり、「自分中心」で連絡することができます。

「手紙」は違うのです。

相手は、「いつ読んでも良い」し、「いつ返事を書いても良い」のです。

手紙は「相手中心」なわけです。

実際メールもLINEも、「仕事が終わってから返信する人」もいれば、「1日の終わりにまとめてするようにしている人」もいます。

あるいは、「じっくり考えてから返信する人」もいますし、「必要と思ったものにしか返信しない人」もいます。

人それぞれなのですね。

それなのに、すぐ返信が来ないとイライラする人は、とても多いのです。

すぐ返信が来なくてイライラする

「すぐに返信が来ないとイライラする人」の場合は、この人自身は「すぐに返信する人」なのでしょう。

そうすると、「自分がすぐ返信するのだから、相手もそうするべき」と考えているかもしれません。

もしかすると、「読んだらすぐに返信するのが常識」という「常識」を持っている方かもしれません。

「連絡が来たらすぐ返信する人」の中には、「きっと相手が待っているだろう」と思い、待たせないよう気をつけている人もいます。

「返信が遅いと相手にされなくなるのではないか」とか

「怒らせてしまうのではないか」と思って、「すぐ返信」を心がけている人もいます。

でも、考えてみてください。

返信が遅れただけで怒ってしまう人は、相手のペースを大切にしていない感じがしませんか?

つまり、「返信が遅い」とイライラしてしまうときは、相手の事情を想像できていない状態なのです。

まとめ

メールやLINEは、「会話のようなやりとり」はできますが、相手が目の前にいませんので、基本的には「手紙」であることを忘れないようにしましょう。

「相手中心」の通信手段であることを忘れないようにしましょう。

取手心理相談室
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