(22) 個人によって異なるストレス ⑰「いい人」を演じる

「いい人」とは?

子どものころから「いい子」と言われてきたでしょうか?

●おとなしく、控えめ
●人の悪口を言わない
●波風を嫌う
●頼まれると断れない
●自分が我慢すればいいと思う
●相手の気持ちを一番に考える
●自分より人のために行動する

こんな感じでしょうか?

ところで、
人々が、「いい人でいたい」と思うのは、自然な気持ちです。

人はみな、「いい人」でいたい

なぜなら、
人間は周りの人と協力して生きる動物だからです。

だから嫌われたり、孤立すると、多くの人はとても辛くなります。

「好かれたい」、「嫌われたくない」と思うのは、自然な気持ちなのです。

ところが、
「いい人」でいようと努力を続けていると疲れてしまいます。

「もう、いい人でいたくない」、「いい人をやめたい」と思う人もいます
それなのになぜ、そんなに努力するのでしょう?

まるで、 

●本当の自分はいい人じゃない
●本音を出すと嫌われる
●素(す)の自分は相手にされない

と思っているかのようです。

それで、
「いい人」を演じてしまうのです。

「いい人」でいたい理由は、もう一つあります。

私たちは、小さい時から他人の評価を受けてきました。

それで、
相手の評価が気になって、「いい子」になろうとします。

他人からの評価は悪いより、良い方がいいですが、

「良い評価(いい子)」のために自分を犠牲にし続けると、苦しくなってきます。

それでも人は、
「良い評価」をもらえる「いい人」を
ときには自分のこころに逆らってでも、演じることがあるのです。

疲れます。

繰り返しますが、疲れて当たり前なのです。

「いい人」は疲れる

疲れるのは、
「自分がしたいこと」ではなく、「相手が求めること」をしようとするからです。

自分を犠牲にして、こころを殺して、相手に「合わせる」からです。

ところが不思議なことに、合わせても、合わせても、うまくいきません。
さらに、疲れてしまいますね。

うまくいかないのは、
「相手が求めている」と思っていることは、
実は、「相手が求めている」と「思い込んでいる」ことだからです。

つまり、
「求めていない」ことをしている可能性があるのです。

では、どうしたらいいのでしょう?

簡単にいうと、
「いい人」をやめればいいのです。

ところが、そこで心配になるのは、
「嫌われたらどうしよう」です。

嫌われたらどうしよう

「いい人」は、
嫌われないために「いい人」を演じてきたのでした。

ですから、
「いい人」をやめたら嫌われると思っているわけですね。

「いい人」をやめたら、本当に嫌われるでしょうか?

「いい人」をやめると、
●嫌な人になる
●感じの悪い人になる
●不親切な人になる

本当でしょうか?

少し考えてみましょう。

「いい人」をやめると、何ができるようになりますか?

「いい人」をやめるとできること

●自分の意見が言える
●嫌なことは断れる
●断ると、自分の時間が増える
●本音が言える
●対人関係のストレスが減る
●自分に嘘をつく必要がなくなる
●自分を犠牲にする必要がなくなる
●自分の考えで行動することができる

つまり、

自分を大切にできるということです。

そして、

●自分の意見が言える人
●嫌なことを断れる人
●本音を言える人
●自分の考えで行動する人

こういう人を好きな人は多いのです。

「いい人」をやめるために

「いい人」になるために努力してきた人にとって、

「いい人」をやめるとは、
「自分のこころを取り戻すこと」と言っても過言ではありません。

そのためにできることは、

●自分のこころに耳を傾ける
●自分はどうしたいかをよく考える
●自分は何が好きかを感じる

ただ、長い間「いい人」を演じてきた人にとって、
上の3つは、簡単にできることではありません。

自動的に自分のこころを閉ざしてしまっている人が多いからです。

たとえ、うまく「いい人」をやめることができたとしても、攻撃的になることもあります。

経験したことがないので、加減が分からないのです。

そのような場合は、カウンセリングを利用することをお勧めします。

取手心理相談室  
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