心配性とは
「心配すること」自体は、人間が生きていくうえで大切なことです。
心配するから危険を察知したり、避けたりできるわけです。
しかし心配の程度が強すぎると、本人も疲れますが、周囲の人も疲れてしまいます。
この状態になると、心配性といいます。
「心配性」といっても、心配性の傾向がある場合と、病的な場合があります。
病的な心配性のほうは、日常生活に支障が出るほどの強い不安のために、
「強迫性障害」や「不安障害」と呼ばれることもあります。
ここでは病気ではなく、「心配性の傾向」についてお話ししたいと思います。
心配性の人のストレス
●あれは大丈夫だったかな?
●これはどうかな?
●ああなったらどうしよう・・・
●こうなったらどうしよう・・・
心配性の人は、多くの人が気にしないことも気になってしまいます。
その度が過ぎると、ストレスになってしまうのです。
繰り返しますが、
ある程度の心配は誰でもしますし、心配することは大事なことです。
心配のメリットの一つは、物事のリスクを予測できますから、対策を立てられます。
もう一つのメリットは、最悪な結果を想定しておけば、ダメージを少なくすることができます。
でも、心配し過ぎると、デメリットのほうが大きくなってしまいます。
一番のデメリットは、心配事がストレスとなり、心身に影響がでてしまうことです。
では、
心配性の人は、なぜストレスになるほど心配しすぎてしまうのでしょう。
なぜ心配なの?
●失敗できないという強い思いのため、失敗への恐怖がある
つまり、心配性の人は絶対成功したいと思っている可能性があります
●人に「大丈夫だよ」と言われても信じることができない
つまり、心配性の人は、人を信じられない
ちなみに人を信じられない人は、自分のことも信じられない傾向があります
●頭で考えるだけで行動しないから、心配がどんどん大きくなる
つまり、心配性の人は、想像の中で不安の種を大きくしてしまいます
心配性の人の思考回路の特徴は、
まだ起きていないことを想像して、想像の中で心配を大きくしていくことです。
それも、悪い結果を「あたかも実際に起きたかのように」予想してしまうのです。
その「想像の中」で、不安や恐れや緊張を感じます。
問題は、
それが「想像の中」だからと言って、バカにできないことです。
脳は「想像」と「現実」の区別ができない
人間のからだは、「想像したこと」に対しても「現実に起きたこと」に対しても、
同じように反応します。
「夢」の中で怖い思いをすると、実際に心臓がドキドキしたり、冷や汗をかくのと同じです。
脳は「想像(イメージ)」と「現実」の区別ができないのです。
ですから、
いろいろ想像して心配していると、実際にアドレナリンが出て、体が「不安状態」になるのです。
不安状態になった体は、ドキドキしたり、血圧が上がったり、呼吸が速くなったり、手に汗を握ったり、お腹が痛くなったりします。
でもこれは、ぜ~~んぶ、
自分で想像したことに対する反応です。
想像さえしなければ、このような状態にはなりません。
でも心配性の人は、想像してしまうのですね。
どういう人が、「心配なこと」を「想像」しやすいのでしょう?
心配性の特徴
以下のような人が「心配な状態」を「想像」しやすいようです。
●完璧主義の傾向のある人
●自己肯定感が低い傾向のある人
●自信がない傾向のある人
●物事のネガティブな側面ばかり見てしまう傾向のある人
完璧を求めると当たり前ですが、
細かくリスクを予想して、失敗しないようにするでしょう。
この状態そのものが心配性の特徴になりますね。
このような人は、
●責任感が強い
●真面目
●努力家
●頑張り屋
●理想が高い
などの傾向もあります。
そしてこの裏側には
●愛されたい欲求
●認められたい欲求
●感謝されたい欲求
●報われたい欲求
●すべてを自分の思い通りにしたい欲求
などが隠れている人も少なくありません。
これら「心配性の特徴」としてあげたものは全部、うつ病のリスクにもなります。
そのくらい、心配性の方はストレスを抱えやすいということです。
次は、
心配性を少しでも減らすことを考えてみましょう。
心配の程度を減らすには
「心配しすぎている人」に、「心配するな」とか、「心配しすぎ」と言うのは逆効果です。
人は、禁止されるとますます気になるものです。
「心配になってしまう」のは「事実」なのですから、
「私は心配なんですよね」と思いましょう。
それだけで、少し落ち着くこともあります。
それに、心配症は悪いことばかりではないのです。
「良い面」にも目を向けてみましょう。
取手心理相談室
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