(4) 人は自分の思い通りに行動できない

私たちは、自分の思い通りには、なかなか行動できません。

人前に出ると、どうしても委縮してしまう。

学校へ行きたいのに、朝になると行けない。

酒をやめようと思うのに、また飲んでしまった。

また子どもを厳しく叱ってしまった。

またあんな思ってもいないこと、言ってしまった。

意識としては学校へ行きたくても、どうしても行けないのです。

「お酒をやめよう」とか「もう子どもを叱るのをやめよう」と思っても、自分の意志ではなかなか難しいのです。

このように思い通りに行動できないのは、「無意識」の影響です。

無意識がストップしているからです。

実は人間は、心も体もほとんど「無意識」のお世話になっています。

たとえば、

心臓は、意識して動かしているのではありません。

「歩く」という行動も、腸腰筋だの、大腿四頭筋だの、「この角度で、こう動かして」などと考えて動かすわけではありません。

意識が「歩こう」と思ったら、後はすべて無意識が引き受けてくれます。

朝起きて仕事に行くという行動は、意識だけではできません。

起きて、顔を洗って、歯を磨いて、ほとんど考えずに心は職場に向かいます。

「行く」と意識が決めたら、後はすべて無意識が引き受けてくれるのです。

うつ病、適応障害、不登校、虐待、非行、摂食障害、強迫神経症、パニック障害等々。

どれも、意識してこうなったわけではありません。

意識に関係なく、こうなってしまっているのです。

人間が意識できる領域は、広大な海に少しだけ出ている島のようなもなもので、ほどんど全部が海面下にあります。

海面の下の部分が「無意識」です。

思い通りに行動できないのは、この「無意識」が邪魔をするのですね。

「無意識」は、意識できない領域のことですから、どんなに頑張っても意識できません。

この無意識の状態を知る方法の一つに「夢」があります。

無意識の中には、「意識が捉えそこなったこと」や「忘れてしまった記憶」がいっぱい蓄積されています。

この膨大な情報の中から、無意識は「夢」というツールを使って「意識の世界」にメッセージを送ってくるのです。

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