「几帳面」は、ほめ言葉
几帳面な人は、
●まじめで仕事ができるから信頼を得やすい
●細部まで気を配り丁寧でしっかりしているから頼れる
などと思われることが多いと思います。
この他にも、几帳面にはたくさん良いところがあります。
「几帳面になりたい」という人もいるほどです。
「ほめ言葉」です。
でも、どのような性格にも長所と短所があります。
たとえば几帳面な人の場合は、ストレスを抱えやすい面を持っています。
では、あらためて「几帳面」について考えてみましょう。
几帳面とは
「几帳面」の「几帳」は、建築用語です。
「几帳」は、平安時代によく使われた、間仕切りや目隠しに由来しています。
今でいうパーテーションです。
2本の柱を立てて、その上に横木を渡して、絹などを垂らしたものです。
この柱に、面取りをして刻み目を入れたものを「几帳面」と呼びました。
この几帳面が、細部まで丁寧に規則正しくなっていなければ几帳は美しく仕上がりません。
ここから、物事をきちんとまじめに丁寧にする人のことを「几帳面な人」と呼ぶようになりました。
「几帳面な性格」の特徴
①細かいところまで行き届く
②整然とした状態を好む(整理整頓好き)
③まじめで勤勉
④決まりや約束にかなうように正確に処理する
⑤最後まできちんとする(責任感が強い)
これらは、
「几帳」を、「丁寧に規則正ししく」仕上げるために必要な性格ですね。
その上、「几帳」の柱は「美しさ」も要求されました。
すると、上の①~⑤は通常のレベル以上のものが要求されるようになります。
その結果、「几帳面」は、
過剰なまでの丁寧さも意味するようになりました。
過剰な「几帳面さ」はストレスとなる
過剰に几帳面ですと、上の①~⑤は、次のようになる可能性があります。
①を他人に向けるようになると、他人に対してイライラして、敬遠される
②が過ぎて不安が大きくなると、「神経質」に向かう
③が過ぎると、完璧主義に向かう
④が過ぎると、頑固・融通性がない堅物となり、付き合いづらくなる
⑤が過ぎると、「できないとイライラ」し、周囲との関係に影響する
これらはすべて、ストレスとなります。
ところで、上の①に、
几帳面が過ぎると「神経質」に向かう、とあります。
「神経質」は、
「几帳面な性格」とよく似た面をもっていますが、かなり違います。
どこが違うのか、確認しておきたいと思います。
「几帳面」と「神経質」の違い
大きな違いは、病的かどうかという違いです。
几帳面は、性格を表わす言葉です。
神経質は、本来は神経症という病気の一種を表わす言葉です。
「几帳面な性格」について
「細かいことによく気がつき、きちんとしている」部分のプラス評価の面です。
ほめるときに使われます。
几帳面な人は仕事が丁寧だったり、期日や時間に遅れることがなかったりするため、安心して任せられる人とされることが多いです。
「神経質」について
「細かいことによく気がつき、きちんとしている」部分が過剰になり、マイナス評価された面です。
ほめ言葉ではありません。
「細かいことによく気がつく」を越えて、「ささいなことが気にかかる」ことが多くなると「神経質」と言われるようになります。
「神経質」は、わずかなことにも過敏に反応する傾向が強くなりますから、情緒的に不安定になります。
そうなると病気の一種とされます。
ストレスにならないために
「几帳面な性格」は、長所がたくさんあります。
しかしその反面、知らず知らずのうちに短所を発揮する可能性もあります。
以下の「短所」の部分に気づくことで、
ストレスがかからないようにしましょう。
●細かさを相手に求めることはありませんか?
●細かいところまで気になり、完璧を求めてしまうことはありませんか?
●自分の守備範囲を超えてまで細かなことが気になったりしませんか?
●その結果、イライラしたりしませんか?
早めに気づくようにしましょう。
取手心理相談室
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