「予定が狂ってイラッ」とすることについて、
前回は、相手がいない場合でした。
今回は、相手がいる場合です。
こんなとき、イラッとしませんか?
●会う約束をしていたのに、当日になって急にキャンセルされた。
●後で食べようと楽しみに取って置いたおやつを勝手に食べられた。
●喜ばせようと思ってやったことなのに、逆に文句を言われた。
●忙しい時に客が来て、なかなか帰ってくれない。
予定通りにものごとが進まないと、多くの人はイライラしますね。
なぜでしょう?
前回は、「予定していたこと・もの」の「喪失」という視点からお話しました。
今回は、相手がいます。
相手がいても、「喪失」したことによる「悲しみ」「絶望感」「無力感」や「怒り」が生じることは同じです。
相手がいると、そこに「相手に対する怒り」が加わります。
では、「相手への怒り」の深層では、何が起きているのでしょう?
「思い通りにしたい」気持ち
人は誰でも、「自分の思い通りにしたい」という気持ちを持っています。
なんでも思い通りになると、実に気分がいいですね。
試験には受かるし、仕事は成功するし、家庭は円満、宝くじにも当たって、人生は順風満帆です。
そこまでいかないにしても、
だれとでも良い関係をつくったり、自分の可能性を花開かせたり、認められたいと思うのは、誰でもが思う、ごく自然な気持ちです。
物事は、思った通りの段取りで進んでほしいです。
しかし、そんなにうまくコトが運ばないことは、大人であれば誰でも知っています。
世の中には、いろいろな考え方の人がいて、誰もが自分に賛成してくれるわけではありません。
みんなが、自分の思う通りに行動してくれるわけではないのです。
大人は、それを知っています。
また、自分の可能性を誰もが認めてくれたり、ほめてくれるわけでもありません。
大人であれば、それを知っています。
赤ちゃんや子どもは、まだ、それを知りません。
逆に言うと、
それを知らない人たちを、「赤ちゃん」とか「子ども」と呼びます。
「子ども」は大人たちに、「自分の思い通りにしてほしい」と強く願っています。
特に、2,3歳までの「赤ちゃん」は、命がけです。
「赤ちゃん」の気持ち
「赤ちゃん」は、ひとりで生きていくことはできません。
お腹がすくと、大声で泣いて、「おっぱいちょうだい!」と訴えます。
すぐにあげないと、火がついたように怒りますね。
大人は、赤ちゃんの要求にこたえるために、自分のことを後回しにして奔走します。
こうやって赤ちゃんは、「生きるために」大人を動かすのです。
これが、「他人を自分の思い通りに動かす」行動の「基本」になります。
でも、だんだん大きくなっていくと、「他人は自分の思い通りに動かないこともある」ことを覚えていきます。
「成長」するわけです。
赤ちゃんは「生きるため」に必死
子どもは小さい子ほど、自分の思い通りにならないと、激しく怒ったり泣いたりしますね。
それと同じように、大人になっても、思い通りにならないと怒ったり、キレたりする人はいます。
あなたの身近にも、ひとりはいるのではないでしょうか。
このような人は、怒ってる瞬間は、「赤ちゃん状態」に戻っているわけです。
そこまでいかないにしても、
思い通りにならないとき、イライラが生じたり、
相手に対して「怒り」を感じることがあります。
それが、「予定が狂ってイラッとする」場面です。
もし、
赤ちゃんが「泣いて、怒って」訴えても、大人が要求を聞いてくれないとどうでしょう?
赤ちゃんの命にかかわりますね。
赤ちゃんの「命」は、こう感じます。
●私の要求が理解されない。
●私は大切にされていない。
●私は大切な存在じゃないのかもしれない。
●私の存在は軽んじられてる。
●私なんて、どうでもいいと思われてるようだ。
これが、予定を狂わせられたとき、相手に感じるものです。
自分の予定をないがしろにされた時、自分が軽んじられ、貶められ、大切にされていないと感じるわけです。
赤ちゃんと同じですね。
もし、この気持ちがとても強い人の場合、子ども時代を通して「大切にされていない」と感じながら生きてきた可能性があります。
「大切にされてこなかった」と感じる方は、カウンセリングをお勧めします。
なぜなら、辛いのはご自分だけで済まないことが多いからです。
気づかないままに、周囲の方を大切にできなくなっていることは珍しくありません。
そうすると、対人関係がうまくいかないことが多くなりがちです。
お近くのカウンセリングルームや心理相談室を探してみてください。
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