(8) 睡眠と夢

「夢を見ない」ってこと、あるの?

夢分析をしていると、よく次のような声を聞きます。

●疲れてグッスリ眠ったから、夢は見なかった
●眠りが浅かったから、夢を見なかった
●薬を飲んで寝たから、夢を見なかった
●薬を飲まないで寝たので、夢を見なかった

本当に夢を見なかったのでしょうか?

「寝ている間」は、ずっと夢を見ている

「レム睡眠」とか「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

レム睡眠 : 脳の一部が起きている状態

ノンレム睡眠 : 脳が休息している状態

睡眠中は、2つの睡眠が交互に4~5回繰り返されます。

夢を見るのは、主にレム睡眠中ですが、ノンレム睡眠でも見ることが分かっています。

つまり、私たちは一晩中、夢を見ているのですね。

レム睡眠の方がストーリー性があって覚えやすい夢を見ます。

レム睡眠が一晩に4~5回あるということは、誰でも4~5個の夢は必ず見ていることになります。

「夢を見ない人」は、見ないのではなく「覚えていない」わけです。

ところで、何のために、一晩中夢を見るのでしょう?

「夢」の役割

「夢の役割」は、いろいろ言われています。

たとえば、

●夢は、記憶の再生、処理、定着過程で生じる
●必要な行動のプログラムを作成し、練習する
●必要のない記憶の整理をし、いらなくなった記憶が夢となる
●解決すべき問題や葛藤が処理され、現実の生活に適応できるようにする

真偽のほどは定かではありません。

しかし、夢が動物にとって必要不可欠な営みであることは事実です。

「夢を見せない実験」では、感情のコントロールができなくなったと言われています。

「眠らせない実験」になると、体重が減少し、体温が上がり、毛が抜けてきて、神経過敏になり、知覚障害、記憶障害、精神障害を起こし、亡くなってしまうと言われています。

できるだけ質の良い眠りをとるようにしましょう。

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