(18) 苦手な人 ①アドバイスしたがる人

聞いてもいないのに勝手にアドバイスされる

こんな経験はありますか?

●悩みを話すと、繰り返しアドバイスされて嫌になる
●共感してほしいだけなのにアドバイスされて、話さなければよかったと思う

具体的にはこんな感じでしょうか?

●ああした方がいいよ
●こうした方がいいよ 
●それはやめた方がいいよ
●私だった、こうするよ

と、言われる。

よくあることだと思います。

そして、こう思います。

●余計なお世話
●うるさい
●よく知りもしないくせに
●なんでそんなこと、言われなくちゃいけないの?
●言ってることは正しいかもしれないけど、でも気分が良くない

そのうえ、

「せっかくアドバイスしてあげたのに」と、アドバイス通りにしないと文句を言われたりすることもあります。

いったい、何なんでしょう? これは?

アドバイスって何?

まず、

①「人にアドバイスする」という行為そのものが「相手を自分より下に見てる」行為です。

②「あなたのため」と言われるとしたら、「あなたを信頼していない」ということでもあります。

なぜなら、

①の場合、目上の人にはアドバイスはしないからです。
「私が何とかしてあげなくては」と、相手を自分より劣った人間と見ています。

②の場合、相手に対して「この人は大丈夫」と絶対的な信頼を置いていれば、アドバイスする気持ちにはならないからです。
相手を信頼していれば「自分で考える機会」を大切にし、成長をサポートしようとします。

すると、アドバイスされるということは、

相手から見下されており、信頼もされていないことになりますね。

その上、アドバイス通りにしないと文句を言われるとすると、

支配されるような気持になります。

だから、

言ってることが正しくても、アドバイスされると気分が良くないわけです。

「余計なお世話」と思ったりもするわけです。

それでも、人はアドバイスをします。

自分がアドバイスされて嫌だった経験がある人であっても、です。

なぜ人は、アドバイスをやめられないのでしょう?

人には、「アドバイスしたい心理」があるようです。

アドバイスしたい心理

頼まれもしないのにアドバイスしたがる人は、アドバイスすると気分がすっきりする傾向があります。

繰り返すということは、「アドバイスしたい」という欲求が強いわけです。

なぜでしょう?

●相手の話で不安になった時、アドバイスは不安を解消できる
      (アドバイスしたことで、自分が安心する)
●自分の考えを相手にアピールできる
●相手より知識や経験があるということもアピールできる
●相手の助けになれたと思える
●相手が知らないことを自分が知っているという優越感が得られる
●相手より上に立った気分になれる
●相手に認められ、感謝される
●アドバイスできると自分の自信になる

どうでしょう?

アドバイスしたがる人は、基本的には自信がない可能性がありますね。

ということは、アドバイスはアドバイスする人自身の問題なのです。

アドバイスは「アドバイスする人の問題」

人間はひとりで生活の全部をこなすことはできません。

問題が起きても、全部自分で解決できるとは限りません 

だから、相手に聞いて答えを知ろうとします。

聞かれたほうは、自分の体験や生き方、考え方の中からアドバイスするのが普通です。

聞かれた内容が

「自分が解決済みの問題」であれば、
    「自分はこのように解決した」ということか、
    「解決に失敗したので、こうすればよかったと思ってる」
ということになります。

困るのは、「自分が解決していない問題」の場合です。

強い感情が生じるため、アドバイスは困難なのですが、

自分自身が解決していないからこそ、いろいろ言いたくなるのです。

結局アドバイスは、
    「自分がしたこと」をさせようとしたり、
    「自分ができなかったこと」をさせようとすることが多くなります。

なぜなら人間は、「自分」というものから離れることは難しいからです。

ほとんどの人は、自分にひきつけて考えます。

このように、

「聞かれた場合のアドバイス」であっても、アドバイスは難しいものです。

まして「聞かれてもない」アドバイスは、もっと個人的な意味を持つことになります。

アドバイスは、「アドバイスする人自身の話」なのです。

アドバイスを聞かされる人がイライラするのは当たり前なのです。

この状況からどうやって離れることができるでしょうか?

アドバイスしてほしくないとき

●頼んでいないアドバイスは、「マナー違反」であることを認識しましょう。
●アドバイスとは「あなたのためではない」ことも認識しましょう。
    (アドバイスはアドバイスしたい人自身が安心するためにする)
●アドバイスされたときは、「そういう考えもある」という程度に聞きましょう。
●「この人は、アドバイスしたい人なんだな」と思いながら聞き流しましょう。

もし、言えそうでしたら

アドバイスをお断りしてみましょう。

断わりづらいときは、
 「私にアドバイスしたい気持ちですか?」などと聞いてみましょう。

取手心理相談室
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