聞いてもいないのに勝手にアドバイスされる
こんな経験はありますか?
●悩みを話すと、繰り返しアドバイスされて嫌になる
●共感してほしいだけなのにアドバイスされて、話さなければよかったと思う
具体的にはこんな感じでしょうか?
●ああした方がいいよ
●こうした方がいいよ
●それはやめた方がいいよ
●私だった、こうするよ
と、言われる。
よくあることだと思います。
そして、こう思います。
●余計なお世話
●うるさい
●よく知りもしないくせに
●なんでそんなこと、言われなくちゃいけないの?
●言ってることは正しいかもしれないけど、でも気分が良くない
そのうえ、
「せっかくアドバイスしてあげたのに」と、アドバイス通りにしないと文句を言われたりすることもあります。
いったい、何なんでしょう? これは?
アドバイスって何?
まず、
①「人にアドバイスする」という行為そのものが「相手を自分より下に見てる」行為です。
②「あなたのため」と言われるとしたら、「あなたを信頼していない」ということでもあります。
なぜなら、
①の場合、目上の人にはアドバイスはしないからです。
「私が何とかしてあげなくては」と、相手を自分より劣った人間と見ています。
②の場合、相手に対して「この人は大丈夫」と絶対的な信頼を置いていれば、アドバイスする気持ちにはならないからです。
相手を信頼していれば「自分で考える機会」を大切にし、成長をサポートしようとします。
すると、アドバイスされるということは、
相手から見下されており、信頼もされていないことになりますね。
その上、アドバイス通りにしないと文句を言われるとすると、
支配されるような気持になります。
だから、
言ってることが正しくても、アドバイスされると気分が良くないわけです。
「余計なお世話」と思ったりもするわけです。
それでも、人はアドバイスをします。
自分がアドバイスされて嫌だった経験がある人であっても、です。
なぜ人は、アドバイスをやめられないのでしょう?
人には、「アドバイスしたい心理」があるようです。
アドバイスしたい心理
頼まれもしないのにアドバイスしたがる人は、アドバイスすると気分がすっきりする傾向があります。
繰り返すということは、「アドバイスしたい」という欲求が強いわけです。
なぜでしょう?
●相手の話で不安になった時、アドバイスは不安を解消できる
(アドバイスしたことで、自分が安心する)
●自分の考えを相手にアピールできる
●相手より知識や経験があるということもアピールできる
●相手の助けになれたと思える
●相手が知らないことを自分が知っているという優越感が得られる
●相手より上に立った気分になれる
●相手に認められ、感謝される
●アドバイスできると自分の自信になる
どうでしょう?
アドバイスしたがる人は、基本的には自信がない可能性がありますね。
ということは、アドバイスはアドバイスする人自身の問題なのです。
アドバイスは「アドバイスする人の問題」
人間はひとりで生活の全部をこなすことはできません。
問題が起きても、全部自分で解決できるとは限りません
だから、相手に聞いて答えを知ろうとします。
聞かれたほうは、自分の体験や生き方、考え方の中からアドバイスするのが普通です。
聞かれた内容が
「自分が解決済みの問題」であれば、
「自分はこのように解決した」ということか、
「解決に失敗したので、こうすればよかったと思ってる」
ということになります。
困るのは、「自分が解決していない問題」の場合です。
強い感情が生じるため、アドバイスは困難なのですが、
自分自身が解決していないからこそ、いろいろ言いたくなるのです。
結局アドバイスは、
「自分がしたこと」をさせようとしたり、
「自分ができなかったこと」をさせようとすることが多くなります。
なぜなら人間は、「自分」というものから離れることは難しいからです。
ほとんどの人は、自分にひきつけて考えます。
このように、
「聞かれた場合のアドバイス」であっても、アドバイスは難しいものです。
まして「聞かれてもない」アドバイスは、もっと個人的な意味を持つことになります。
アドバイスは、「アドバイスする人自身の話」なのです。
アドバイスを聞かされる人がイライラするのは当たり前なのです。
この状況からどうやって離れることができるでしょうか?
アドバイスしてほしくないとき
●頼んでいないアドバイスは、「マナー違反」であることを認識しましょう。
●アドバイスとは「あなたのためではない」ことも認識しましょう。
(アドバイスはアドバイスしたい人自身が安心するためにする)
●アドバイスされたときは、「そういう考えもある」という程度に聞きましょう。
●「この人は、アドバイスしたい人なんだな」と思いながら聞き流しましょう。
もし、言えそうでしたら
アドバイスをお断りしてみましょう。
断わりづらいときは、
「私にアドバイスしたい気持ちですか?」などと聞いてみましょう。
取手心理相談室
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