(9)と(10)で「予定が狂ってイラッ!」とすることについて、①相手がいない場合と、②相手がいる場合について考えてきました。
今回は、狂うとイラッとしてしまう「予定そのもの」について、
「相手がいない場合」を考えてみたいと思います。
なぜなら、「狂ってもイラッとしない予定」もあるからです。
「イラッとする」のと、「イラッとしない」の違いは何でしょう?
「期待の大きさ」から考えてみたいと思います。
予定に、大きな期待が込められている
「期待」が期待通りに行かないとき、人はかなり落胆しますね。
そもそも、なぜ、そんなに大きな期待を込めてしまったのでしょう?
この疑問に答える前に、ちょっと考えてみてください。
毎日の生活の中で、ものごとは予定通りにいきますか?
これまでの人生は、予定通りに進んできましたか?
ほとんどの人は、「いいえ」と答えるのではないでしょうか?
●渋滞に巻き込まれた
●街角でバッタリと会いたくない人につかまってしまった
●楽しみにしていた花火が台風で中止になった
●そういえば小学生の時、仲良しが転校してしまった
●部活でうまくいかなかった
●思うように成績が伸びなかった
●みんなの前で恥ずかしい思いをした
などなど
「こんなはずじゃなかった」と思ったことのない人はいませんね。
「人生は思い通りにはいかないもの」と、大人はみんな、知っています。
「予定は予定であって、未定」とも、みんな、言います。
みんな、良くわかっているのです。
「世の中は、決して、予定通りにはいかない」のです。
つまり、
「予定が狂う」ことは、予定の中に入っているわけです。
「予定が狂った」のは「予定通り」なわけです。
狂って当たり前の「予定」なのです。
にもかかわらず、
なぜ、そんなに予定が狂ったときにイラッとしてしまうのでしょう?
「今度こそ」と頑張るのでしょうか?
もしかすると、「予定通りにはいかない」ということを忘れているのかもしれません。
なぜでしょう?
ここで前回(第12号)の「ストレス」のところで触れた「完璧主義」が登場します。
完璧主義
以下は、第12号にあった完璧主義の考え方の一部です。
●要求水準が高い
●相手にも完璧を求める
●目標を達成すること(完璧さ)が人間の価値と思っている
●責任感が強く、妥協できない
●役割を完璧にこなす自分が好き
●常に何かを達成しようとする意欲に満ちている
いかがですか?
完璧主義に陥ってしまうと、「世の中は予定通りにいかない」ことを頭では知ってはいても、自分のこととして「腑に落ちていない」のです。
わかっているようで、わかっていないのですね。
そこには、「わかるわけにはいかない」理由はあるのですが、それはここでは扱いません。
それよりも、少しでもイラッとしない方法を考えましょう。
予定が狂ってもイラッとしないために
●最初から、「予定通りにいかないものだ」と考える
●予定通りにいかなかったとき、それを「予定通り」と考える
●予定通りにいかなかったとき、「そういうものだ」「しょうがない」と考える
人生は予定通りにはいきません
これを肝に銘じましょう。
もう一つ、問題があります。
「相手がいる場合」です。
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もう一つの大きな問題
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相手に「期待」をかけているとき
相手は期待通りに動いてくれません
相手は、子ども、パートナー、親、きょうだい、隣人、職場の人たちなど多様です。
この問題は、カウンセリングに来られる方たちの全員と言ってもよいほどの「悩みの種」になっています。
背景には、さまざまに複雑な心理メカニズムが動いています。
個人的な要因だけではなく、古代から引き継いできた心理メカニズムも動きますので、説明も理解も容易ではありません。
機会を見て少しずつ、取り上げていきたいと思います。
取手心理相談室
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