(20) 苦手な人 ③すぐ感情的になる人

「感情的」になりたいわけではない

私たちの多くは、自分で自分の行動をコントロールできると思っています。

たとえば、
●朝、「起きよう」と思って「起きる」
●「食べよう」と思って「食べる」
●「出かけよう」と思って「出かける」

ところが、自分の思うようにできないときがあります。

●朝、起きようと思っても、起きられない
●お腹がすいているのに、食べられない
●出かけたいのに、怖くて出かけられない

このような、自分の意志ではないものの中に、
「感情的」になってしまうことがあります。

「感情的な人」は、
感情的になりたくないのに、感情的になってしまうのです。

「感情的」とは?

「感情的」とは、

感情(喜怒哀楽)が強く出る傾向です。

「怒りっぽい」だけではなく、喜怒哀楽のどの感情にも過敏に反応します。

ここでは喜怒哀楽のうち、「怒り」について考えます。

「怒り」が強く出ているときの状態は、こんな感じでしょうか?

●理性を失い、
●論理性はなくなり、
●筋の通らない矛盾した言動になる

すると周囲は、その人の顔色を見るようになります。

その結果、
周囲の人を、自分の思い通りにコントロールすることになってしまいます。

どのようなとき「怒りが出る」のでしょう?

たとえば、
●自分を否定された
●傷ついた
●思い通りにならない

と感じ、

●「ふざけるな」
●「なんでわかってくれないの」

などと思ってる。

その気持ちが爆発した状態が「感情的」になっている状態ですね。

この裏にはさらに、
●自信がない
●不安が強い
●物事を思い通りに進めたい

などもありますが、

大事なのは、
「感情的」になる「きっかけになった、出来事や言葉」です。

「何」が感情に触れたのか?

私たちの心の中には、「触れられると痛い傷」が存在しています。

そこに触れると、心に激痛が走るのです。

すると、
心は、その痛さに悲鳴を上げます。

無意識の反応ですから、意識ではコントロールできません。

そうなると、理由なんて聞いても無駄です。

何が起きているか本人にも良く分からないのですから、矛盾に満ちてきます。

心の傷は「逆鱗」のようなものです。

「逆鱗」に触れると、理性を失って激しく反応するわけです。

あなたの「逆鱗」は?―自分の傷を知ることが大事

こうならないためには、自分の「心の傷」を知っておくことです。

感情的になるとき、おそらく、いつも似たようなパターンになっているはずです。

似たような状況、似たような言葉、似たような行動に対して、激しい感情が生じるのです。

その近くに「心の傷」があるはずです。
どんな傷なのでしょう、なぜそんなに痛いのでしょう。

それが分かってくると、激しく反応することは少なくなります。

ただ、自分で自分の傷に触れることは、とても難しいことです。
だれか、お手伝いしてくれる人がいるとよいと思います。

カウンセリングを利用するのも一つの方法です。

「感情的な人」に対して

このように、ある人が「感情的」なのは、その人の「心の傷」の問題なのです。

感情的に「怒り」をぶつけられると、こちらにも「感情的な怒り」が生じるのが普通です。
その時点で、こちらの冷静さも失われがちです。

そのようなとき、あとで冷静になってからでも良いので、

「一体何に反応したのか」を一緒に考えてみることが有効です。

この作業を繰り返すことで、反応が穏やかになっていく可能性があります。

難しいですが、試してみる価値はあると思います。

取手心理相談室
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