(13) 何かを盗まれる夢

「何かを盗まれる夢」は悪い夢?

泥棒に入られたり、大切な物を盗まれたりする夢を見ることがあります。

何か悪いことが起きるのではないかという印象を持つかもしれません。

でも、「盗まれる夢」は良い夢であることが多いのです。

夢の登場人物は、夢み手の分身

「夢」は、夢を見る人(夢み手)がつくりあげたものです。

「夢」の中に他人が入り込む余地はないからです。

したがって、

夢の登場人物は、すべて「夢を見た人自身」ということになります。

夢み手が、自分の中にある様々な自分を使ってストーリーを組み立てたのです。

ということは、

「盗む人」も「盗まれた人」も、夢み手自身ということになります。

「盗む人」が友人であれば、「友人の姿」をした自分自身が、自分自身から何かを盗んだことになります。

ただ、「盗む人」は「知らない人」であることがダントツに多いのです。

ここでは「知らない人」に「何かを盗まれる」ことについて考えてみます。

夢の中の「知らない人」とは

夢の登場人物がすべて自分自身だとすると、
「知らない人」も自分です。

「知らない人」は、自分の中にいるけれども、「自分は知らない自分」ということになります。

「意識できていない自分」とも言えます。
「無意識の中にいる自分」です。

そうすると、この「夢」は、
「(通常の)自分」が、「無意識の中の自分(自分の知らない自分)」から「何かを盗まれる」ということになります。

「意識」が、「無意識」から「何かを盗まれる」のです。

「意識」と「無意識」の攻防

繰り返しますが
「知らない人」から、「何かを盗まれる」とは、

「自分が知らない自分(無意識の自分)」から、「自分の何かを盗まれる」ということです。

「何か」とは何でしょう?

「夢」の中では、「盗まれまい」として必死になって逃げます。
「盗まれたら大変」なわけです。

盗まれると困るのですから、「自分が大切にしている何か」ですね。

「大切な何かを盗まれまい」として、
逃げる「意識」を、「無意識」は執拗に追いかけます。

追いかけられますから、「すごく怖い夢」になったりします。
不安も生じます。

ここでちょっと考えてみましょう。

盗まれて困るものって、何でしょう?

「無意識」が「意識」から盗もうとするもの

「意識」を、
今まで自分が実際に生きてきた、その「生き方」と考えてみましょう。

すると「無意識」は、
自分が生きてこなかった「別の生き方」となります。

「今までの生き方」を変えようとするとき、
「今までの生き方」は、捨てなければなりません。

でも人は、「慣れた生き方」を、なかなか「捨てる」ことはできないのです。
そんなとき、「無意識」がやってきます。

「自分で捨てられないのなら、盗ってあげるよ」と。

夢分析では、「何かを盗まれる夢」は多くの人が見ます。

夢み手の何かが「変化」しようとしているときであることが多いようです。

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