(21) 苦手な人 ④卑屈な人

「卑屈」な人は、どんな人?

●「どうせ私なんか、何してもダメ」
●「どうせ私のことなんて嫌いなんでしょ」
●「ごめんね、こんな自分で」
●「あなたはいいよね。私なんて〇〇」

聞いていても、なんだか楽しくないですね。
嫌な気持ちになったり、腹が立ってくることもあります。

自分を卑下しすぎているように感じます。
素直じゃない、いじけてるとも感じます。

「おつき合いしにくい」と感じることも少なくありません。

そもそも「卑屈」とはどういう意味でしょう?

「卑屈」の意味

「卑屈」の「卑」は、「卑しめる(いやしめる)」とも読み、「さげすむ、見下す、あざける」という意味です。

「卑屈」の「屈」は、「屈む(かがむ)」とも読み、「体をまげる、折れ曲がる、くじける、いじける」という意味です。

したがって「卑屈」の意味は、
自分をさげすんで、気持ちがいじけている状態と言えます。

「卑屈」は、「自分の存在を下に見る」のですが、同じ意味を含む言葉に「謙虚」があります。

どこが違うのでしょう?

「卑屈」と「謙虚」の違い

「卑屈」は、「他人と比べて」自分の存在を下にみます。

「謙虚」は、「相手を立てて」自分の存在を下にみます。

この違いは、次のような行動の違いになっていきます。

「卑屈な人」は、
    必要以上に自己評価を下げ、「ダメな自分」の話になります。

「謙虚な人」は、
    相手に敬意をはらい、相手から学ぼうとし、相手の話に耳を傾けます。

つまり、
「卑屈な人」といると、「その人の話」を聞いてあげることになります。

逆に「謙虚な人」は、「私の話」を聞いてくれるわけです。

どちらが気持ちがいいか、考えるまでもありませんね。

その上、
「どうせ」や、「自分なんて」と言うと、
「そんなことないよ」とか、「大丈夫だよ」と言うことになり、
これが繰り返されると、嫌になるわけです。

周囲がこんなに嫌な思いをしても、
「卑屈な人」は、「卑屈」から抜け出でることは、なかなかできません。

なぜでしょう?

「卑屈」であることで、何かメリットがありそうです。

「卑屈」のメリット

「どうせ、自分は失敗するから」と、何にも挑戦しなければ、失敗することもありません。

「できない自分」「ダメな自分」「劣っている自分」をさらして、「傷つく」危険を避けることもできるのです。

そして、「どうせダメ」と聞くと、
心配し、慰め、やさしい言葉をかけてくれる人もいます。

「大丈夫だよ」、「そんなことないよ」、「こうするといいよ」と、
寄り添ってくれる人もいます。

「そんなことない、あなたは〇〇もできるでしょ」とほめてもらえることだってあるのです。

このように
「私、こんなにダメなの」という人に、暖かいまなざしを送ってくれる人は少なくないのです。

ただ、だんだん嫌がられるようになってしまうのですが。

それでも、得られる「愛情」は少なくありません。

「もしかすると、自分は卑屈かも」と思っている方は、なぜこのような形で愛情をもらいたいのか考えてみましょう。

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