この世は持ちつ持たれつ
人間は、生活のすべてをひとりですることはできません。
人類の発生以来、お互いに助けたり、助けられたり、依存しあったり、協力しあったりして生きてきたのだと思います。
ですから、
●どんなに大変な状況でも、一緒に頑張っていきましょう
●互いに困っているときは、助け合いましょう
●お互いにサポートしあって、うまくやっていきましょう
と言います。
こうすると仕事も進みますし、プライベートも楽しくなるからです。
ところが、これに違和感を覚えることがあります。
「なんだか利用されたみたい」と思うときもそうです。
一方的に利用するだけの人
自分が困ったときは、誰かに助けてもらいますね。
言わば、そのときは「他人を利用」するわけです。
これ自体、何の問題もありません。
次は「自分を利用」してもらえばいいのですから。
問題は、困ったときは助けてもらうのに、自分は助けない場合に生じます。
ときどき、このような人に出会いますね。
一方的に「他人を利用する人」です。
どんな人でしょう?
他人を利用する人の特徴
●自分の利益しか考えない
●自分の利益のためなら嘘も言い訳も不正も気にしない
●誰を利用したらいいのか素早く判断できる
●自分にとって得であれば、他の人のことはどうでもいい
●見返りを求める
こんな感じでしょうか?
次に具体的な行動を考えてみましょう。
わかりやすい具体的な行動
●自分のミスを他の人に押し付ける
●できるだけ自分のお金やエネルギーを使わない
●上司にこびを売り、部下には横柄(相手によって態度を変える)
●優しくしてくれた後で断りにくい頼みごとをしてくる
●責任を追及されると逆ギレする
●自分のやりたくないことを頼まれそうになると、忙しいふりをする
●自分の都合だけで頼みごとをしてくる
いかがですか?
このような人に出会うと「ずるい」と感じたり、腹が立ったりしますね。
「利用された」ときに感じるイライラ
「利用された」とき、多くの人はイライラしたり怒りを覚えます。
他人のために、お金や労力や時間を使わせられるからです。
自分のエネルギーを自分が使いたくて使うのではないからです。、
なぜ、「他人を利用する人」は、人のエネルギーを使うのでしょう。
「他人を利用する」心理の深層
もともと私たちは、「親を利用して」成長してきました。
赤ちゃんは、何をするのも親なしではできないからです。
「あれやって、これやって」、「あれがほしい、これがほしい」と言えば、大人は一生懸命動いてくれました。
自分のエネルギーを子どものために使ったのです。
そのような体験を経て大人になったとき、今度は他人のために自然に動くことができるようになります。
ところが、このような体験が少ないと、
そこを埋めようとするかのように「他人を利用する」気持ちがいつまでも残るのです。
つまり、他人を利用する傾向のある人は、
「子どもの心」を持ち続けてるといえます。
でも、実際は大人です。
「あれやって、これやって」、「あれがほしい、これがほしい」と、
子どもなら、泣いたり怒ったりできたのですが、大人になるとできません。
でも自分のために、「してほしいこと」をしてくれる誰かが必要なのです。
そういう愛情がほしいともいえます。
本当は大人は、「ほしいものは自分で手に入れる」ことをどこかで学んでいるはずなのですが。
そう考えると、「利用される人」がいる限り、彼らは「自分で手に入れる」ことを学べないということになります。
「利用される人」は、「利用する人」が学ぶ機会を奪っていることになってしまうのです。
もちろん、故意ではありません。
利用されないために
一番大事なことは、「自分がやりたいこと・やりたくないことを見極める」ことです。
自分の心の「快」と「不快」に敏感になりましょう。
少しでも「不快」を感じたら断りましょう。
それができれば、利用されることはぐっと少なくなるでしょう。
ところが「利用される人」は、「断る」ことが苦手です。
なぜ、苦手なのでしょう?
「断れない」に関しては、「ストレス」の(12)個人によって異なるストレス⑧断れない にあります。
取手心理相談室
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