返事をしない状況のあれこれ
① 聞こえていない場合
●何かに集中していて(夢中になっていて)、聞こえない
●考えごとをしていて聞こえない
●声が小さくて聞こえない
●聴力の問題で聞こえない
●耳垢のために聞こえない
② 返事をするつもりがあるけど、返事をしない場合
●体調が悪くて声が出ない
●自分に話しかけていると思ってない
●どのように返事しようか考えている
●急に話しかけられて、とっさに声が出ない
③ 故意に返事をしない場合
●(a) 「怒ってる」から返事をしない
●(b) 「怒ってる」ことが相手にわからないように返事をしない
●(c) 相手に関わりたくなくて返事をしない
●(d) 構ってほしいのに構ってもらえなくて、すねてる
●(e) ほかの人に怒っていて、八つ当たりで返事をしない
上の①~③のどれも、相手に伝わるのは「怒り」です。
それでも①と②の場合は、誤解が解ければ問題はありません。
しかし③の場合は、相手に「怒り」を伝えることが目的になっています。
今回は、この③の場合について考えたいと思います。(a)~(e)に分けてみました。
(a) 「怒ってる」から返事をしない
相手は、あなたに怒っているようです。
たとえば相手が忙しい場合、以下のような気持ちかもしれません。
(1) あなたと違って、私は忙しいの!
(2) 忙しいことくらい、見ればわかるだろ! 邪魔するな!
(3) 忙しくても頑張ってるんだからね!
(1)~(3)の気持ちには、
★「私を理解して」
★「私認めて」
★「私を大切にして」
★「あなたより、私のほうが大切」
という気持ち(欲しいもの)が隠れていることが少なくありません。
さらにその深層には、
相手をコントロールしたい(支配したい)気持ちがあります。
「怒り」を伝えることで、★を手に入れようとするわけです。
(★は、「欲しいもの」です。
「怒る」ことで「ほしいものを手に入れる」ことは、日常、よくみられます。
誰かが「怒る」と、周りの人は「それ以上怒らせないような行動」をします。
こうして「怒っている人」は、「周囲をコントロール」するのです。
小さい子が泣いて怒って、欲しいものを手に入れるのと同じ行動ですね。
(b) 「怒ってる」ことが相手にわからないように返事をしない
(b)の場合、以下のような気持ちになっている可能性があります。
(1) こんな些細なことで怒る人と思われたくない(穏やかな人と思われたい)
(2) 怒ってることがバレると、逆に大変なことになる(例えば、倍になって返ってくる等)
しかし、どんなに「相手にわからないように」しても、「怒り」は必ず伝わるものです。
(c) 相手に関わりたくない
相手は、あなたには関心がないか、好きじゃないのかもしれません。
声をかけても「返事をしてもらえない」と、誰でも不快に思いますね。
そして、なるべくその人とは関わらないようにしようと思います。
こうして、相手は「思い通り」あなたと関わらないことに成功します。
つまりあなたは、相手に「コントロールされる」わけです。
(d) 構ってほしいのに構ってもらえなくて、すねてる
相手には「甘えたい」とか、「構ってほしい」という欲求があるようです。
それを素直に出せなくて、すねるのですね。
「甘えさせてくれない」、「構ってくれない」という「怒り」を伝えています。
こうして相手を、思い通りに「コントロール」しようとするわけですね。
(e)ほかの人に怒っていて、(八つ当たりで)返事をしない
八つ当たりされている場合、八つ当たりしている方も、されている方も、何が起きているのかわからなくなります。
「どうして怒っているのか」分からないときは、聞いてみましょう。
誤解が解ければ、少なくとも2人の間に問題は生じません。
まとめ
いかがでしょうか?
「返事をしない」ということは、
大なり小なり、「相手を自分の思い通りに行動させる」という目的をもった「怒り」でした。
つまり、「相手に怒りを伝える」とき、相手を思い通りにコントロールしている可能性があるということです。
この他に、もし「返事をしない」のが我が子の場合は、親であるあなた自身が返事をしているかどうか振り返ってみましょう。
子どもは、親をモデルとして成長しますので真似をしているかもしれません。
取手心理相談室
担当者プロフィール
電話: 080-5687-8508
メール: toride.shinrioffice@gmail.com