夢は心を癒やす
「一晩眠れば楽になる」とは、昔から言われてきました。
眠りに心を癒やす効果があることは、私たちは体験として知っています。
最近の夢の実験でも、夢を見ることで辛い記憶が軽くなることが分かりました。
前回「レム睡眠」が記憶の整理をするお話をしましたが、
「心の傷」という辛い記憶も、レム睡眠のときに整理されるようです。
心を楽にするのは、「睡眠」そのものではなくて、
睡眠中に見る「夢」だったのです。
夢は「心の傷」をめぐる
辛い体験をすると、それに関連する夢を何度も見ることが実験で分かっています。
夢では、受け入れがたい出来事に伴う感情を繰り返し体験します。
恐怖、無力感、不安、罪悪感、絶望感、嫉妬、憎しみ、怒り、悲しみ、不安、喪失感
辛くて、考えたくなくて、抑えつけていても、
傷ついた心は、それを修復しようとして、その夢をみるのです。
たとえ辛い出来事を忘れてしまっても、心の中では、処理しきれない感情が渦巻いていて、私たちはその感情と格闘していると言えます。
だから、夢はその感情をめぐるのです。
深い傷でなければ、夢を見るだけで自然治癒します。
でも、体の傷と同じように、心の傷も深くなると治療が必要になります。
自然治癒できないほど辛い出来事ですと、逃げたくなりますね。
逃げようとすると、「なんとかして!」と「傷」が追いかけてくることがあります。
すると、それは悪夢になります。
悪夢
悪夢とは、嫌な夢や、うなされるような怖い夢です。
「トラウマ」を抱えている人にとっての悪夢は、トラウマを再び体験しているようなものですので、非常に辛い夢となります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症している人は、頻繁に悪夢を見ることが分かっています。
心が、消化できない辛い体験をなんとかして消化して、心の傷を癒やそうと頑張っているからです。
悪夢に対して
悪夢のために日常生活に支障をきたすようなときは、薬に助けてもらって、しっかりと眠れるようにすることが大切です。
それ以外の場合は、
心が、トラウマや傷を消化していく過程と考えましょう。
フラッシュバックのような夢に対して
PTSDの人が、フラッシュバックのような、現実とほとんど変わらない夢をみることがあります。
そのようなとき、「現実」と「違うところ」を探してみましょう。
全く同じではないはずなのです。
どこか「現実と異なる部分」があるはずです。
そこに注目していくと、夢は変化を始めます。
夢が変化するということは、トラウマを消化し始めている証拠になります。
一人でするのは難しいですので、どなたか夢を聞いてくれる人を探すといいと思います。
夢分析や、普通のカウンセリングでも夢の変化は促進されますので、お近くの相談室やカウンセリングルームを探してみてください。
取手心理相談室
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