眠っていても感覚は起きている
●寝ているとき、何かの音で目が覚める
●寝ていても、名前を呼ばれると返事をする
●隣のいびきがうるさくて「うるさい!」と言うと、止まる
●目覚ましが鳴る前に、ちゃんと目が覚める
●目覚ましをかけなくても、毎日同じ時間に目が覚める
この他に、
●乳児に添い寝しているお母さんは、赤ちゃんがほんのわずか動いただけで、ピタッと沿うように同じ姿勢になることが観察されています
私たちの感覚は、深く眠っていても閉じられていません。
次に、寝ているときの私たちは、どのような種類の「刺激」を受け取っているのか見てみましょう。
からだの外からくる刺激
フロイトは、次のように言っています。
「どんな物音も、それに応じた夢の映像を生み出す」
たとえば、
●雷の音が、戦場の真っただ中へ連れて行かれる夢になるかもしれない
●鶏の鳴き声が、人間の悲鳴になるかもしれない
●戸の開ける音が、強盗の侵入してくる夢になるかもしれない
●掛け布団が落ちたとき、水の中に落ちる夢をみるかもしれない
からだの内からくる刺激
眠っているときは、起きているときよりもはるかに深く、体の中の変化に敏感で、そこからくる刺激を受け取っています。
これについてフロイトは次のように言っています。
●心臓や肺が悪いと不安な夢を見る
●消化器系の障害があると、ものを食べたり吐いたりする夢を見る
●炎症を起こしていると火の夢を見る
実際は、フロイトの言う通りの夢を見る人もいれば、見ない人もいます。
これまで「夢」と「感覚」の関係については、
いろいろな実験がされてきました。
しかし、
「夢」であるがゆえに確証を得るところまではきていません。
「内なる知」の表現
「夢」ではありませんが、自由に書いてもらった「絵」についてのお話です。
「絵」には、体に起きた異変が描かれることが分かっています。
命にかかわる重病の子どもの描いた「絵」には、予後が描き出されるのです。
ときに、体のどこにどのような異変が起きているかが「絵」で分かることさえあります。
子どもだけではありません。
大人でも、何気なく描いたいたずらいたずら描きや、有名な画家の作品にも、病気の部位が示されたり、予後が示されていることが確認されています。
「絵」は、「夢」と違って他の人が目で見て確認できるから、分かるのです。
なぜ、体の危機を「絵」に描けるのかは、わかっていません。
とにかく、体の異変は「絵」に描かれるのです。
私たちは、体の変化を全部意識することはできないのですが、無意識レベルではキャッチしているようです。
重病の子どもの絵の研究をしたスーザン・バッハという人は、
この「キャッチする能力」を「内なる知」と呼んでいます。
私たちの「内なる知」は、
意識では気づかない体の異変に、気づいているのです。
ということは、
「夢」にも「内なる知」がはたらいているはずですね。
参照文献:『生命はその生涯を描く』スーザン・バッハ著 誠信書房
(スーザン・バッハ:ユング派の分析家)
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