(14) 「夢」の生成 ②「夢」の素材(2)感情

ドキドキする夢

夢を見て、ドキドキして目が覚めたことは、一度はあるのではないでしょうか?

そのとき、私たちの心には強い感情が動いています。

この感情はどこから来るのでしょう

感情は身体からのメッセージ

「感情は身体反応」というお話を以前にしました。

激しい怒りを感じているときも、
強い不安に襲われているときも。
歓喜に酔いしれているときも、

身体的には同じ状態です。

心臓がドキドキし、呼吸が速くなり、血圧も上がります。

この身体の状態が状況によって、
怒り」と認識されたり、「不安」と人思惟されたり、「喜び」と認識されたりするわけです。

ところで生命は、生れてきたからには、とにかく生き延びようとします。

身体は、
より良く生きられる出来事に対しては「快(うれしい、楽しい、気分が良い)」を感じ、

生きるのに良くない出来事には「不快(辛い、悲しい、気分が悪い)」を感じるようになっています。

「快の感情」が生じると、身体は、何度も味わいたいと思います。

「不快の感情」に対しては、二度と同じ体験をしないように避けようとします。

「不快の感情」は、生き延びるために非常に重要なメッセージなわけです。

私たちは常に「身体」から「感情」というメッセージを受けながら生活しています。

ところがこのメッセージ(感情)を感じることができない人がいます。

感情を感じない

「感じているはずの感情」を感じていない人もいますが、
間違えて別の感情になってしまう人もいます。

どちらの場合も、生きていくことに支障をきたします。

「本当は、何を感じているのか」が分からないのですから、命にかかわるわけです。

うつ病も、神経症も、心身症も、不安障害(パニック障害、恐怖症、PTSDなど)の人も、「生きづらさ」を感じている人たちも、ほどんどの人が、感情の問題を抱えています。

人には、感じたくない感情があります。

辛すぎて処理しきれない感情もあります。

例えば、
怒り、悲しみ、憎しみ、恐怖、情けなさ、不安感、絶望感、無力感等々です。

これらの「嫌な感情」は、身体が「警告」として送ってきたものです。

それを「意識」としては、「感じていない」わけです。

でも、無意識はちゃんと感じています。

それが夢に出てくるのです。

感情が中心の「夢」

「夢」には、印象深い夢とすぐに忘れてしまう夢があります。

同じ夢の中でも、インパクトの強い部分と、それほどでもない部分があります。

印象深い夢や、インパクトの強い部分には、強い感情が動いているといわれています。

「強い感情」は、「夢」の大事な要素です。

「本当は自分は何を感じているのか」を、ズバリ教えてくれる「夢」もあります。

「あなたの問題は、この感情をめぐってます」と教えてくれる「夢」もあります。

「夢」の中の感情はどんな感情なのか、よくよく感じてみましょう。

そして似たような感情を、実際にどこかで感じたことがないか、思い出してみましょう。

その感情は、ご自分の課題と関連しているはずです。

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